2019年9月10日火曜日

Training in Australia Ⅵ

G'day. Shuです。


オーストラリアでは春になりつつあります。暖かくなったかと思ったら急に寒い日が続いたり、一時的な豪雨や雹からの晴天など面白い気候が続いています。



その事をワークメイトに聞いてみると、こんな時は"Spring has sprung." って言うんだと教えてもらいました。私は最初意味がよくわからず、春の形(スペル)が変わっていたので、ヤサグレた春も春の一部なんやでみたいな意味かなあと推測をしていました。

もちろんその様な意味ではなく、この文章は現在完了形でsprungは はねるという動詞の過去分詞系でした。春が顔を出して来たねという様な意味だそうです。


それでは新しく行った整備について書いていきます。

ドライバー席側のエアコン付近からバイブレーションの様なノイズがするので直して欲しいという依頼がありました。
ヘッドホンでないと良く聞こえないかもしれませんが、下の動画の通り叩くとこもったような振動音が聞こえます。





フロントガラスとの接触面がすこしズレている様に見えたので、下から押し上げて叩いてみるとある所で音が響かなくなりました。布等を挟み込み程よい高さに合わせようと試みましたが、完全にノイズを無くす事はできませんでした。

ベテランの人に相談をしてみた所、以前直した事があるそうでピラーカバーが原因との事でした。

試しにカバーを外してもう一度叩いてみると、こもった音が無くなりました。



原因がはっきりとした為カバーにクッションを付ける事にしました。


今回の件で、ノイズは発生部品だけでなくそこに接触している物が原因である可能性があるという事がわかりました。
怪しい部品を外しやすいところから取って音を確認していけば、今後接触によるノイズの原因を探る時に効率が良さそうだと思いました。


また、アコードV型6気筒エンジンのタイミングベルト交換を行いました。

現在は4サイクルエンジンが基本で、エンジンは吸入・圧縮・燃焼・排気と4つの動きを繰り返し行っています。
※下の図は渡航前に撮ったNRの写真です
 左上から吸気(バルブ)右上排気(バルブ) 下ピストン

各工程についての作動の説明は今回省きますが、タイミングベルトは吸排気バルブを適切な時期に開け閉めする為に必要です。

とても大事な役割なので、もし走行中にベルトが切れようものならバルブが開いたままヒストンが上昇して衝突、最悪エンジンアッセンブリ交換が必要になる可能性が予測されます。

現在は金属製のチェーンが主流になっており、寿命はおそらく30万kmくらいと基本的に廃車になるまで交換が必要ないくらい耐久性が向上しています。
一方ベルトは10万km程で交換が必要になります。

なぜ耐久性に劣るベルトタイプがよく使われていたかと言うと、一昔前のチェーンは騒音が大きくコストもかかりました。そこに高性能なベルトが登場し取って代わったという訳です。また、ベルトの方がチェーンに比べて軽いという事も燃費向上に繋がる1つのメリットだと思います。

前置きが長くなりましたがタイミングベルト交換での主な注意点を書こうと思います。

図1 タイミングベルトガイドプレート
タイミングベルトガイドプレードの外側は沿っており、反対向きにするとベルトを傷つけてしまうので間違えないように注意が必要です。

図2 外す時の位置

ベルトを外す前に位置を合わせます、左右のカムプーリーをけがき線に合わせ、クランクのキー(図1の円形の上にある四角い所にはまる金属)を上になるようにして行います。


ベルトには左右からテンションがかけられており、片方はボルトが徐々に太くなっており締めた分だけ圧がかかります。もう片方はベルトがたるむと自動でテンションをかけるようになっているため、ベルトを外す為にはオートテンショナをロックしなければなりません。
図3 オートテンショナをボルトでロック

下からの写真を見ると作動が想像できると思います。


図4 オートテンショナ作動

ロックできたらアナログのテンショナを緩めてベルトを外します


今回はここまでにしようと思います。
それでは
Thank you for visiting my blog.
See you next blog.